Case #8

凛としたやさしさ

高知の大学で出会い、県外へ就職しご結婚されたおふたり。挙式とご家族だけのお食事会はご実家がある地元で行われることに決まっていましたが、恩師やご友人をご招待するご披露宴パーティーを高知で行いたいということで、私にご相談くださいました。

お打ち合わせはほぼ高知県外で行いました。直接お会いできる日数や時間に限りがありますので、各業者さんとのミーティングや準備はお打ち合わせの日までにしっかり整え、一回一回のお打ち合わせ内容を濃密にして、おふたりのこだわりをきちんと実現しました。

会場について「甘いイメージではない」「ナチュラルな雰囲気とも、少し違う」とおっしゃっていたおふたり。お好みの雰囲気を写真で見せていただくと、秋冬っぽさのあるヨーロッパのガーデンウエディングでした。

そこで装飾のメインにしたのが「木」。枝に当たる照明によって浮かぶ影と、少しだけプラスした緑によって、温かみと深みのある印象が生まれました。

ガーデンウェディングが持つ雰囲気を屋内で表現するのは難しいのですが、とても良いバランスでコーディネートできたと思います。

 

 

私が好きなお写真はお支度中を撮ったこちらの一枚。新婦さまのパンプスのベルトを留めてさしあげる新郎さま。

それぞれに高い志を持ってお仕事をされているかっこいいおふたりなのですが、一方でやさしさと思いやりにも満ちていて、その温かさがこうしたさりげない場面に表れているように感じます。

お時間がある場合には、パーティー会場の近くの場所で「当日撮り」をおすすめしています。

おふたりもとても素敵なお写真が撮れました。オーダーメイドのドレスとやわらかな緑がマッチしています。

 

ここまでご紹介したのは高知でのご様子ですが、実は地元で行われた挙式とお食事会も、おふたりから「イメージにこだわりたい」とのご希望があり、私どものチームでヘアメイクと写真撮影をお手伝いさせていただきました。

 

そこで思い出深いのが、新婦さまからお父さまへ読むお手紙のことです。

とても厳格なお父さまで、新婦さまご自身も自立心が高く、改めてお手紙を読むことに気恥ずかしさがあったようで、当初は「読まない」と決められていました。

でも、結婚式という一生に一度の日にしか伝えられない言葉があります。その大切さを知っているからこそ、私も、ヘアメイクさんも、カメラマンさんも「絶対に読んだ方がいい」とご説得。

熱が入って2時間ほどお話してしまいましたが、新婦さまはお手紙を読んでくださることになりました。

 

読まれたお手紙にはこれまでの家族の歩みと、伝えることができなかった想いが綴られており、お父さまの目にも大粒の涙が。とても感動的なシーンに立ち会うことができました。

 

葛藤を乗り越えてお手紙を読んでくださった新婦さま、あたたかく見守ってくださった新郎さま、そして、それぞれの役目をこえて「心」で動いてくれるチームの仲間にも感謝の気持ちでいっぱいです。しあわせな時間をありがとうございました。